ブログ


2025/04/23

中国籍の方の遺言のご相談



神戸市中央区にある行政書士事務所の、REC+行政書士事務所です。

今回は中国籍の方の遺言手続きについてお話をさせていただきます。


今回ご相談いただきました依頼者はご同居されている中国籍のお母様の相続対策についてでした。


ご相談者は中国籍のご両親のもと、日本で生まれ、中国籍から日本籍へ帰化をされていらっしゃいましたが、お母様は中国籍のままでした。

ご相談者にはご兄弟が2名いらっしゃいます。
ただ、代々の家業を継がれているのはご相談者様だけでした。

家業の事業承継をするにあたってはやはり遺言が有効です。
法定相続分どおりでは今までの家業に対する貢献度や事業を承継した後の事業の運営資金に対しても兄弟間で等分とするには反対に不公平となります。

また、お母様としても長年事業に貢献し、今後も事業を継続してもらいたいという気持ちが強く、ご相談者様になるべく多くの遺産が移るようにしたいという気持ちを感じることができました。そして、そのために遺言を作成したいと強く思うようになったようです。

お母様が高齢者であることもあり、多少は費用がかかっても公正証書で遺言を作成することとなりました。

<公正証書遺言作成に必要な書類>

一般的に必要書類は以下の通りです。

1. 遺言者ご本人の書類
・本人確認書類:
運転免許証、パスポート、マイナンバーカード(写真付き)などの顔写真付きの公的な身分証明書の原本
お持ちでない場合は、健康保険証と住民票など、公的機関が発行した顔写真のない本人確認書類2点以上
戸籍謄本:本籍地の市区町村役場で取得したもの
遺言者と相続人との関係がわかるもの(例:全部事項証明書)
2. 相続人に関する書類
相続人の戸籍謄本または抄本:
遺言者の子、配偶者、父母など、相続人となる方全員分のもの
作成日に関する特別な期限はありませんが、最新のものが望ましいです。
受遺者が相続人以外の場合:
受遺者の住民票または戸籍附票(氏名、住所、生年月日が確認できるもの)
3. 財産に関する書類(可能な範囲で)
不動産:
登記簿謄本(全部事項証明書)
固定資産評価証明書
預貯金:
通帳のコピー(銀行名、支店名、口座番号、名義がわかるもの)
有価証券:
証券会社の取引残高報告書など
自動車:
自動車検査証のコピー
その他財産:
保険証書のコピー、貴金属の明細など、財産の内容がわかるもの
4. 証人に関する書類(2名必要)
証人の本人確認書類:
運転免許証、パスポート、マイナンバーカード(写真付き)などの顔写真付きの公的な身分証明書のコピー
証人の住所・氏名・生年月日を記載したメモ


<今回のケースでは>
上記は一般的な必要書類です。
しかし、今回特殊な事情として遺言者であるお母様が中国籍であるということです。
中国では日本のように戸籍制度がなく、日本人とは異なる書類を収集する必要があります。
今回はたまたま以前にお父様がなくなったときの書類で今回も戸籍にかわって利用できる書類がありましたから手続き的には比較的楽にすることができました。

最終的にお母様もご相談者様も納得して、遺言を作成してよかったというお言葉をいただきました。


※ご注意点

上記は一般的な必要書類であり、遺言の内容や相続人の状況によって追加の書類が必要になる場合があります。
事前に公証役場に連絡し、必要書類を確認することをおすすめします。
公証役場によっては、事前に遺言の内容を伝えるための書式を用意している場合があります。
公正証書遺言の作成は、専門家である公証人が関わるため、法的に有効で確実な遺言を作成することができます。ご不明な点があれば、遠慮なくお尋ねください。


そのほか、外国籍の方の相続手続きには母国の法律との関係や日本国籍の方との相続手続きに必要な書面の違いなど様々な問題が含まれます。

日本人の相続手続きでも一般の方では大変だろうかと思います。 
ただ、神戸にも代々日本に住み続けている(日本で生まれ、日本で育っている)外国籍の人が多くいらっしゃいます。

外国籍の方の相続手続きをスムーズにするために、日本の財産については日本で遺言を作成してはいかがでしょう。遺言を作成することでスムーズに遺産を相続人に承継することが可能です。

こんなこと相談してもいいのだろうかとお思いの状態でも結構です。まずは専門家であるREC+行政書士事務所にご相談いかがでしょうか。

REC+行政書士事務所は神戸市中央区元町にある行政書士事務所です。
当事務所はスピード感のある対応を心掛け、お客様に寄り添ってご相談に柔軟に対応致します。
個人様に関しては相続・遺産承継 や遺言作成、生前贈与手続き信託について、法人様については建設業許可申請 、宅地建物取引業免許申請 、法人設立など、様々な業務に対応致します。
これからもよろしくお願いします。